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新興成長国基礎データ
中国株レポート
・投資の視点
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としての株式
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としての日本株
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長期投資としての日本国債


投資の視点
小泉首相の公約に「国債発行額を30兆円以内にする」というものがあり、予算編成最中ということからもよく話題に上っています。

ただ、私にとっては、30兆円という金額にひっかかるものがあります。

「この数字は何の意味をもった数字なのだろうか」ということが腑に落ちないのです。

また、抑える前の数字は何なのか良くわからないからです。

何故なら、ここ数年の毎年の国債発行額はものすごい勢いで増えており、確か最近の数字は80兆円を越えていたはずだよなと記憶していたからです。

「ふーん、80兆円を50兆円減らしてしまうのか。すげーな。でも出きるのかな?」って思っていたんです。

下の表でわかるように、来年度の発行額は130兆円とGDPの4分の1という、前面戦争中以外にはとても考えられない発行額です。

この数字から見ると、小泉首相の30兆円という数字は「百」を忘れた数字にも見えます。
ちょっと読んでみると、30兆円というのは新規財源債の金額の事のようです。(今更) もともと、30兆円と大して変わらない金額のようです。

そして、はるかに巨額な借換え債や財投債については知らん顔のようです。

思わず、「はあっ」って言ってしまいました。

「この人たち、一体何を考えているのだろう」と思えたからです。

政府の現状を認識していれば、このような政策は恥ずかしくて口にすることも出来ないような内容だと思えますから。
上のグラフを見て分かるように、政府債務は毎年毎年大きく増えており、そのスピードは加速しています。上のグラフでは分かりずらいのでGDPとの比較表で見てみましょう。
このところの、政府債務の増加額はGDP対比で10%を超えています。

政府債務を返済する原資をひねり出すためには、経済が成長し、その恩恵としてその何割かを税収が増える事が必要です。

となると、政府債務を多少なりとも減らすためには、GDP成長額は最低でもその倍の100兆円・20%成長が必要になるのです。不可能な数字といえましょう。

ただでさえ、人口減等による経済後退の要因が多いのに、毎年毎年GDPの10%超の資金を政府部門に盗まれてしまったら、景気を浮揚するための資金不足になってしまいます。まさにクラウデイングアウトが起こっているのですから。

わかりやすく、現在の日本を一般の家計にたとえて見ましょう。

小泉家の毎年の収入は、826万円です。小泉さんは弟と一緒に事業をしており、その収入のうちの2割の168万円は弟に渡るべき収入ですので、収入から除かなければいけません。

小泉家には老親がいて、病院代・介護代がかかります。この額は段々増えてきており、なるだけ払いを渋り、先延ばししているのですが現在では収入の2割の175万円を払わなければいけません。
つまり、実質の年収は375万円なのに、支出は収入の約2倍。

収入とほぼ等しい赤字額を借金して使っているという情況です。これだけ毎年借金をしていれば、その要返済総額はなんと、年収の18倍の6104万円なのです。

90年代半ばまでは、親戚の財投さんからもっぱら借金をしましたが、財投さんも家計が苦しいというので、最近は部下の銀行さんからの借金が主となっています。

銀行さんもそろそろ資金繰りが厳しいようで、次の借金の先を探している情況です。

しかし、この実態を知られれば借金は出来ないでしょうし、借金の即時返済を求められてもおかしくはないのです。

ところが、小泉さんはこの実態を知ってか知らずか、来年のあらたな借金を300万円にするぞとしか言わないのです・・・

小泉さんには、もっと借金せよと迫る家族もいますが、これは、借金をしまくって放蕩に使ってきた張本人が、「俺にもっと金をくれよお。上手く博打で回すぜ」と言っているのと何も変わらないでしょう。

「おじいちゃん・おばあちゃん」にもっと孝行しましょう。良い病院に入れてあげましょうという「一見正しい大義名分」を振りかざす人も近所にはいます。

しかし、これは小泉家が正常な家計であればそのとおりなのです。

小泉家は「自己破産状態なのです。」こんな状態の人に大義名分を振りかざす事は「おじいちゃん・おばあちゃんにだけつくしてあげて、若い人は皆死になさい」と言っているも同然です。

小泉さんの仕事も、海外工場を立ち上げていますから、仕事や給料が今後確保できるか不安な情況です。それなのに弟への支払、医療費、借金への支出で残るものは僅か。

小泉家の人々や傍からは「小泉家は緊縮財政」をしてると思っている人が多いのですが、じつは「超放漫財政」なのです。この現状を正しく見つめることが必要なのです。

(その2 借金はまだ隠れている)

小泉家の家計を見ればわかるように、この家計は自己破産しか道はありません。

収入の範囲以内で生活し、少しでも余った資金を返済に回さなければいけない時代はとうに終わっています。

これだけ借金が巨額になると、借金の金利だけでも相当なものになりますから。最低でも利払以上の返済を毎年しなければ、借金が借金を呼ぶのです。

日本の今の金利は世界史上最低の金利です。ですから、日本政府の国債の金利は平均2.4%(無利子債も含む)と、とんでもなく低い金利で済んでおり、毎年9兆円の利払で済んでいます。

これに最低限の国債整理基金への繰り入れをしているだけというのが、現在の予算上の国債費なのです。

この低金利は、後先を考えずに(考えているけど、言われて買っているのか?)投資をしてくれれる投機家のおかげで助かっているのですが、この投機家が正気に帰ったときには、価格・利率の両方で大きな変動というかカタストロフが発生せざるを得ません。
こうした実態は、私が一般に公表されている資料から導き出したように、簡単に知ることができます。

だからこそ、ムーデイズのような格付け機関が、この危機状況を把握し、格付けを下げてきたのです。

IMFでは、国のネット収入と長期債務との倍率が10倍を超えると、その国のランキングを「D」にします。「直ちに処理しなければ、5年以内に破綻する」と定義したランクです。

日本の税収から、もともと地方の収入である地方交付税交付金を差しひいた国庫税収が長期債務の何倍かということで、このIMFの数値を求めると、日本は1998年度に10を超えてしまいました。

そして直近では16に達しています。ブラジルさえ越えてしまっています。
一般常識で考えれば、年収の5倍以上の家(=借金)は買うなと戒められていますから、これが10倍以上はおろか、16倍の小泉家は狂気の沙汰です。

半可通の人は、後世代に回せるとか言いますが、息子世代がどうして親の放蕩した結果の借金を喜んで返すと考えるほどお人よしなのでしょうか?

脅かすような事ばかり言って申し訳ないのですが、話はこれでは終わらないのです。

もっと奥が深いのです。政府の公表数字は、隠れたところは何も語っていないのです。この隠したところも見てあげないと、正確な姿は現れてこないのです。

例えば財政投融資。

財投法によって、資金運用部をワンクッションおくというやり方が廃止されました。直接、財投債という形でわれわれ国民の借金に変わりました。

こういう変化が何を意味するかは、国鉄清算事業団のときのいきさつを思い出せばお分かりですよね。都合が悪くなると、国民に借金として押し付けるんです。

現在のさまざまな公団の情況を考えると、利払すら不能になっている状態の公団が、道路公団をはじめ多数存在します。

石原行革相らが、補助金を減らすと意気込んではいますが、これも「補助金」が「国債費」に変わるだけのこと(それでも表に出るだけましですが)。

まともだと思われている住都公団ですら、90年代の強烈だった住宅バブルの影響がこれから顕在化してきます。

ゆとり返済で、返済が厳しくなった家計の破綻が顕在化するので、多くの個人貸付が不良債権化しますし、バブル期の投資を原価評価している今のまやかし決算が出来なくなってくることですし。

今後、公団ら特殊法人の闇が表に出るたびに、この後始末をするために、大量の国債が発行されることになるのは火を見るより明らかなのです。

例えば社会保障

年金制度が、今のままでは破綻するのは誰が見ても明らかです。年金の支払を遅らせる、減らす。そして拠出する金額を増やす。

この方法が主流なのですが、自分が支払う・貰う立場になって考えてみてください。

そんな、約束がいとも簡単に破られる保険に入りたいと思いますか?この制度に加入しつづけるメリットを感じますか?支払う世代にメリットを与える方向に制度そのものを変えない限り、制度が立ち行かなくなります。

つまり、今の方針でも国庫負担が増えるのに加えて、もっともっと追加負担がでてくることになります。

高齢社会は医療・介護を受ける人数の増加というきわめて当たり前の事実があります。

そして、健康保険制度も実は赤字に転じてしまったことを知らない人が多いのです。介護保険で、健康保険支払が減る事を期待していたのに、減少額が期待はずれだったこともあまり知られていません。

その介護保険は、制度としては不十分で過渡期の制度です。
高齢化が進むにつれ、どう介護スタッフ確保するかについては解決策がありません。

家族外介護から、社会介護に進路を変えた以上、社会負担が増える事を受けとめなければいけません。

例えば地方財政

90年代のばら撒き公共投資によって、地方財政は瀕死の状態です。

財源が無いにもかかわらず、国からの補助金の投入によって欲しくも無い公共投資を強いられてきました。

補助金が工事額の100%をくれるならまだしも、地方の借金を増やすだけの先を考えない仕組みでの公共投資が殆んどでしたから、この借金を返すあても無く呆然としているのが今の現状です。

只でさえ、土地開発公社の乱脈で大きな財政の穴を空けた地方政府には、政府に責任をとってもらう以外の道はありません。

公営企業という形で地方財政のプール資金があります。これは地方政府全体の連帯責任の借金なのですが、この借金を自分の負債と考えていない地方政府が殆んどです。

「国の借金とみなしている」のが現状です。公営企業債すべてが、国債にすりかわるのも自然ななりゆきかと思えるのです。

そして隠れ借金

主計局には頭の回る方が多いようで、あちこちに隠れ借金が控えています。この隠れ借金は当然ながら政府債務残高には計上されていません。

地方交付税交付金の額を財務省の資料と総務省の資料をつき合わせて見ると金額が違うんです。財務省では17兆なのに総務省だと22兆。

変だなと思って見てゆくと、財務省の数字には@国税法定繰り入れ分とA一般会計からの繰り入れ増分が計上されています。

しかし、総務省ではB交付税特別会計借入金にC後年度交付税措置の地方債増発分が加算されているのです。このBとCの分が隠れ借金なのです。

こうして、知らないところであなたの借金が増えているのです。

他にも、厚生年金国庫負担、継承債務返済延期、自賠責特別会計、政府管掌健保、地方後年度負担等のさまざまなところに借金は隠れています。

こうした、表に出ていない生来の負担増加を考えていると、借金の額は加速をつけて増えるのが明らかです。

こうした現状を見つめてみると、現政府の方針がいかに的を外したものかが見えてきます。格付け機関がAAであってDをつけていないのが、やさしい見方かもしれないということも分かってきます。

これでもあなた、ジャンク債投資をしますか?

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