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長期投資としての日本株(人口統計から)
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投資の視点
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長期投資には、長い目で見た経済の行方を知ることが必要なのはどなたも肯かれますよね。
では、日本経済の長期見通しはどうなるかを、誰でもが知っていることを考えてみましょう。
知っていることその@日本は人類史上初めての高齢社会に最速で突入している
知っていることそのA経済成長は次の計算式から求められる。
経済成長 = 労働力 X 資本 X TFP(全要素生産性)
たとえば、日本の1950年から1970年までの高度経済成長を考えてみましょう。
戦後のこの時期に、農村の長男以外の労働力がものすごく多く、都会・工場地帯に送り込まれました。(受け入れる雇用能力も大事ですけど)
そして、手作業の農業から比べた工業の生産性上昇もあって高度経済成長が成し遂げられました。 |
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しかし、もっと大切なのは人口構成の変化なのです。
このグラフを見て分かるように、この1950年から1970年までの20年の労働力といえる20歳から60歳までの人口の増加が際立って激しかったと言えます。
実は、1920年以降生まれの子供の数が毎年どんどん増えていたのです。明治末期には毎年百万人に満たない1年あたりの子供の数が、大正期に増え出し、昭和5年には2百万人近くまで倍増していたのです。
「産めや増やせよ」の掛け声とともに。一部の子供は従軍して死亡してしまいましたが、大部分の子供は小さかったので戦中を生きのび、1950年からの大ブーム時には大きな戦力となったのです。
この戦前の出生増による労働人口の伸びが、あまり指摘される事はありませんが、日本の高度成長の大きな要因だったのです。
そして、戦後のベビーブーム(団塊世代)も加わって、日本の労働人口は高いスピードで増えています。1970年から1990年にかけても、労働人口の伸びは続いています。
この末期の1980年代後半については、資本の増加による寄与度が大きかったけれども、1970年代の労働人口の増加の寄与がこの20年間の経済成長には大きかったのです。
しかし、この勢いは1990年代に入って一変します。労働人口は殆んど増えていません。だからこそ、経済の低迷が起こったのだとも言えます。(経済のゼロ成長はリセッションですもの)。
さて、こうした見方を未来に適用すれば・・・
恐ろしい見通しになってしまいます。これから20年で労働力人口が7千万人から6千万人に1千万人・15%も減ってしまうのですから。
これだけの減少は、アメリカの大恐慌に匹敵するものと考えられます。
真剣に考えれば、政府の長期見通しの前提にはGDPが毎年1〜2%の増加の前提ですが、マイナス2〜5%の成長(経済縮小)がなされて当然なのです。
いいえ、それだけではありません。
これから20年で労働力人口が7千万人から6千万人に1千万人・15%も減ってしまうのですから。労働力の減少だけではありません。資本の減少も見るべきです。
今までのように年金基金への拠出超から、年金給付を受けるほうが多い、流出増に転じます。ですから、投資先からの換金売却が増えてきます。つまり、労働力減、資本減のダブルでマイナスに効いてくることになりましょう。
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