有りもしないしないトレンドを信じてはいけません。
過去に成績の良かったファンドの良い成績が、これから先にも同じように起こると予想することは、存在しないトレンドを信じることになります。
誰かは他の人よりも良い成績を収めることができる。しかし、そのことはその人の能力があったから、その結果になったというわけではない。
そうかもしれないし、偶然かも知れ無い。そして、その可能性が高い。
投資の世界では、過去に成績の良かったファンドマネージャーはその成績は偶然だったとしても、そうは扱われません。インタビューされ、良くメデイアに登場することになります。
彼の所属する投資会社は大きく、過去の成績を強調した広告キャンペーンをする。そして、多くの投資家が彼のファンドにお金を投資することになるのです。
調査は逆のことを示しています。
ある年の運用成績が上位4分の1に入った人は次の年に下位4分の1の成績に終わる確率は52%でしかありません。
逆に成績が下位4分の1だったファンドの半分は翌年、上位2分の1に入ったのです。モーニングスター社の五つ星にランクされたファンドの63%は翌年平均以下の成績に終わりました。
そして、過去の成績が良いからと投資が殺到したファンドのパフォーマンスが悪化し、投資家は何故こんな悪い事態になってしまったんだろうと訝るようになってしまいます。
もちろん何も悪化してはいないのです。彼の良い成績はたまたまだったのですから。そして、彼の成績が悪化するのもそのうち終わります。大抵は投資家が失望して売った後に。それが何回も繰り返された現実なのです。
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