Question8では、じっと保有するのが正しい選択でしたが、今回はちょっと違います。
あなたが売らないのは、株価が何倍にもなるという強い自信からですか?
普通の人は、株価が大きく下がったときに、その株を売れません。それは株を売らないならお金を失った気がしないからです。
売ってしまえば否応なく闘士の失敗を実感させててしまうはめになるからです。そして後悔をもたらします。あなたが売らないのは、あなたが投資に失敗したことを認めたくないからです。そうして株価が買値に戻るまで待つことでしょう。
しかしこの戦略には問題があります。50%下げた株が、買値に戻るには、株価が2倍にならなくてはいけません。あなたが失ったのは50%だとしても、戻るのには100%上昇しなければならないのです。上手くいって2倍になった、株価が元に戻ったとしましょう。
しかし、これが実現するのには相当な時間がかかるでしょう。そのことは、他に良い投資先があって、もっと早く利益を取れるというチャンスをみすみす逃してしまうということなのです。
「私が売らなければ実現損は出ない」という感情は、他の誰とも共有されるものではありません。「この株は私が10万円で他の人から買ったから、10万円の価値があるんだ」とあなたが言ったとしても、他の人にとってはまったく関係のない話なのです。
あなたは、自分の持っている株のことを忘れ「今、一番良い投資先は何だろう」と客観的な目で判断しなければなりません。その結果が、あなたが持っていて55%下がった株であるときに初めて、「売らないでも良い」と判断してよいのです。 |